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法令・機体・販売・講習を一箇所で。承認不要時代の導入ガイド。

農薬散布が「原則・承認不要」に——日本の農業はどう変わる?(展望)

省令改正により、一定の安全要件を満たす農薬等の空中散布は、原則として個別の飛行承認が不要になります。現場感覚でいいますと、必要な機体と運用条件を満たせば、農家のみなさまがご自身の圃場で、より機動的に散布を回せる方向へ舵が切られたということです。ここでは、これから日本の農業がどう変わり得るのかを、チャンスと注意点の両面からやさしく展望します。

  1. 導入のハードルが下がり、“自家運用”が一般化します。
    承認申請の手間や待ち時間がなくなり、必要なタイミングで動きやすくなります。病害虫の初動対応や降雨前の散布など“旬の一手”が打ちやすく、小規模な農家でも軽量クラス機の自家保有が現実的になります。結果的に、地域全体の防除力(スピード×頻度)が底上げされやすくなります。
  2. コスト構造が変わり、収益性と作業平準化が期待できます。
    事務負担や機会損失が減ります。自家運用が進めば繁忙期の外注高騰リスクも抑えられます。オフシーズンにメンテ・講習・圃場マップ整備を進め、オンシーズンは多回数の少量散布(予防的・局所的)へ移行しやすくなります。
  3. スマート農業の実装が加速します。
    散布ログ・圃場マップ・気象・病害予測などのデータ連携が前提化します。可変施用(必要な場所に必要量だけ)や、ドローン×センサー×意思決定支援(DSS)の統合で、肥料・農薬の最適化と収量・品質の安定化に寄与します。JAや防除組合での共同運用も進みます。
  4. 中山間地・果樹・茶園・施設園芸での生産性が向上します。
    乗用機が入りにくい区画でも、低高度・精密散布がしやすくなります。果樹・茶園では「樹冠上端+4m以内」を守りつつ樹形に沿った立体散布が可能です。施設では外周からのバリア散布や周辺圃場の迅速な予防散布が広がります。
  5. 関連ビジネスが再編・拡大します。
    機体+範囲制限設定+フェールセーフ点検+散布ログ管理といった「運用パッケージ」が主流になります。保険・賠償・安全教育を束ねたサブスクも伸びます。散布計画の自動生成や最適ルート化、地域単位の病害警戒と連動するサービスも増えます。
  6. 地域運用の“質”が結果を分けます(行政・JA・生産者の連携)。
    立入管理や補助者配置、第三者物件回避など、要件に沿った現場運用を地域で標準化できるかが鍵です。自治体やJAが点検会・共通ルールを整えれば、事故・苦情・ドリフトのリスクを下げ、社会的な受容性を高められます。

ご注意(「承認不要」でも、ここは変わりません)

  • 場所・高度:ご自身が所有・管理する農地・森林内で、地表/水面または作物上端から4m以下です。越境はできません。
  • 重量・モード:夜間・目視外・人/物件30m未満・人口集中地区(DID)上空は総重量25kg未満が条件です。夜間・目視外は自動操縦が必要です。
  • 機体性能:飛行範囲の制限機能と、故障時に安全を確保するフェールセーフを実際に使って飛行します。
  • 第三者物件の直下禁止:散布経路の真下に他人の建物や車両がない計画にします。
  • 立入管理と安全措置:標識・コーン・補助者配置など、侵入防止と周辺監視を徹底します。
  • 他法令の順守:農薬取締法(ラベル表示・希釈・残液処理)、PPE(保護具)などは従来どおり必須です。
  • 空域規制は別枠:空港周辺などの特定空域は、別途の許可・通報が必要になる場合があります。

導入を成功させる“現場の型”

  • 圃場と境界:地図・地番・所有/管理関係を文書で確認します。
  • 機体と設定:基準適合の確認、範囲制限・フェールセーフのテスト、整備記録の整備を行います。
  • 運航計画:作物上端+4m以内、第三者物件直下ゼロのルート設計。夜間・目視外は自動航行前提にします。
  • 立入管理:コーン・バリケード・見張員・無線連絡で外部侵入を抑止します。
  • 記録:散布ログ・飛行ログ・機体点検・教育訓練の記録一式をルーティン化します。
  • 地域連携:周辺農家・自治体・JAと散布日程・注意区域を共有し、苦情ゼロ設計をめざします。

まとめると、承認の簡素化は、単なる手続き軽減ではなく、タイミング最適化×精密散布×データ活用を日常化させる追い風になります。うまく回せば、病害虫の初期封じ込め、資材投入の最適化、労務負担の軽減、環境負荷の低減という“よい循環”が生まれます。鍵は、要件に沿った運用の徹底と、地域ぐるみの標準化・記録化です。

※ 本ページは一般的な解説です。最新の詳細要件は法令・通知をご確認ください。

法令はどう変わった?——「特定飛行」に該当しないから、承認や通報が原則不要へ

これまで、農薬の空中散布は「危険物の輸送」「物件の投下」に当たり、飛行前の承認(航空法132条の86)や飛行計画の通報が必要でした。
今回の改正では、一定の安全要件を満たす農薬等の散布「省令で定める方法」として位置づけることで、特定飛行の承認の対象外となり、個別の承認・通報が原則不要になります。
つまり、要件を自ら満たし、守れるなら、農家のみなさまが自分の判断で運用できる範囲が広がる、ということです。

1.今回の改正の狙い(背景)

以前は、散布は原則として個別承認が必要でした。しかし、規制改革の議論で、要件を満たせば個別承認なしでも安全を確保できるとの結論が示されました。
そこで、承認手続の負担を減らしつつ安全水準を落とさないために、要件を満たす散布を「省令で定める方法」に位置づける方向へ見直されました。

2.法律上の仕組み(どこが変わるのか)

航空法132条の86第5項第1号は、「省令で定める方法による飛行」には、同条第2~4項(=承認が必要)の規定を適用しないと定めています。
現在は施行規則236条の82で「係留飛行」などが対象ですが、この条文に“農薬等の空中散布”を追加し、一定要件を満たす散布を承認の対象から除外します。
重要なのは、要件を満たす散布のみが対象で、別理由(空域・カテゴリー等)での許可や通報は引き続き必要になることがある点です。

3.承認不要にするための主な要件(ポイントと意味)

  • 多数が集まる催しの上空は不可:イベント会場など第三者リスクが高い場所は対象外です。
  • 基準適合の機体:国交大臣が定める機能・性能基準に適合した機体を使います(範囲制限・フェールセーフ等)。
  • 25kg未満の条件:夜間・目視外・人/物件30m未満・DID上空で飛ぶ場合は総重量25kg未満に限られます。
  • 操縦者の知識・能力:教育訓練・運航管理・緊急時対応の理解など、適格性が求められます。
  • 飛行場所・高度:所有/管理する農地・森林内、かつ地表/水面/作物上端から4m以下。越境や高高度散布は不可です。
  • 夜間・目視外は自動操縦:事前計画どおりの自動航行で安全を担保します。
  • 輸送物の限定:運べる危険物は農薬その他、国交大臣が定める物件に限られます。
  • 機能の“実使用”:範囲制限とフェールセーフは装備しているだけでなく、実際に使用して飛行します。
  • 直下に第三者物件なし:散布経路の真下に他人の建物や車両がない計画にします。
  • 立入管理・安全措置:看板・コーン・補助者配置・無線連絡など状況に応じて実施します。
  • その他の方法:告示・ガイドで具体化される細目(点検・記録等)に従います。

4.「承認不要」でも、引き続き注意すべきこと

  • 空域・場所の規制:空港周辺等の特定空域は別途許可・通報が必要な場合があります。
  • カテゴリー区分など:Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ区分、第三者上空の可否などの要件は引き続き有効です。
  • 基本義務:登録・標識・リモートID・整備・運航管理の義務は従来どおりです。
  • 農薬の法令順守:農薬取締法、ラベル表示、希釈・保管・残液処理、PPE(保護具)等は厳守します。

5.現場での運用イメージ(実務フロー例)

  1. 対象圃場の確認:所有・管理関係(地番・契約書)を確認、越境しない散布ルートを設計。
  2. 空域チェック:DIDや空港周辺の該当有無を確認、該当時は25kg未満条件や別手続を判断。
  3. 機体の適合性:基準適合の確認、範囲制限・フェールセーフのテスト、整備点検。
  4. 運航計画:作物上端+4m以内、夜間・目視外は自動航行前提、第三者物件直下ゼロ。
  5. 立入管理:標識・コーン・補助者配置、無線連絡体制。
  6. 操縦者の適格性:教育訓練履歴、ブリーフィング、緊急手順共有。
  7. 散布実施:気象・風向の最終確認、周辺パトロール後に開始。
  8. 事後処理:飛行・散布ログ、点検記録、薬剤使用記録、残液・洗浄水の適正処理。

6.よくある疑問にサクッと回答

Q1:25kg未満の条件はいつ効きますか?

夜間・目視外・人/物件30m未満・DID上空のいずれかで飛ぶときは総重量25kg未満が条件です。日中・目視内・30m以上・DID外など、要件を満たす場面では直ちに掛からない場合もあります。なお、他の区分要件や空域の規制は別途適用され得ます。

Q2:「第三者の物件が直下にないこと」とは?

散布コースの真下に他人の建物・車両・工作物がないことです。圃場外の道路に車が入り得る場合は、一時的通行止めや保安員配置で直下を空けてください。

Q3:隣の畑の上を越境して低空で散布できますか?

できません。所有・管理する区域内に限られ、越境飛行は不可です。

Q4:操縦者の「知識・能力」は何で示しますか?

告示・ガイドで具体化されます。一般には、該当用途の教育訓練運航マニュアルの理解緊急時対応などが求められ、履歴の記録が重要です。

Q5:本当に承認は不要になりますか?

はい。新ルールの要件を満たす農薬散布飛行は、132条の86第3項の個別承認が不要になります。ただし、空域由来の許可・通報や、カテゴリー区分の要件他法令は引き続き必要となる場合があります。

※ 本節は一般的な解説です。正式な運用要件は省令・告示・通達の最新をご確認ください。

法令改正で、農業ドローンの農薬散布は承認不要の時代

まずは安全・合法の最短ルートから。用途に合わせて次の3つからお進みください。

改正のポイント(1分)

  • 一定条件で農薬等の空中散布は個別承認が不要
  • < 25kg機体・地表/作物上端+4m以内・安全措置 など
  • 詳しくは「承認不要チェック」で自己診断

承認不要の条件確認・機体比較・販売/講習探しを、この1ページから。

最終更新:2025-10-XX|監修:AGDR編集部